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温泉で骨休みの巻 »»

ニセコじー
2007-02-23 22:56

まだ、外は吹雪いている。山小屋で考えた、山頂にオススメの持ち物&準備あれこれ。

●山頂にオススメの持ち物&準備
・飲み物ペットボトル(山に登ると喉が渇くので。しかし缶はやめたほうがいい。凍って破裂する。保温性のあるポットならベスト。温かい飲み物)
・携帯カイロ(とにかく寒いので。電池など暖める場合も便利。多めで)
・ゴーグル曇り止め(寒すぎてゴーグル凍る。下界ではありえない現象)
・携帯の充電は万全に(フル充電でも、零下だと電力低下。山頂でも電波は届くが、山の陰や谷に入ると電波が切れる)
・チョコレート(これだけは、みんな用意している)
・テッシュ(寒いので鼻水対策。多めが安心)
・その他非常食(多少でも。途中で食べ尽くさないように。カロリーメイトなど軽くていいかも)
・カメラ(持ってくればよかったの意見多数、携帯カメラでも良いが電池大丈夫?)
・下着は厚着で(とにかく寒い)
・ウェアは白以外で(周りは真っ白なので、吹雪くと見えない。ハッキリした色)
・時間の余裕(行くなら朝早く。山頂で吹雪いても朝なら、天気がなかなか回復しなくても夕暮れまで時間に余裕が作れる)
・帽子は風の通しにくいもの、耳の隠れるもの(毛糸だと、網目から風が突き刺さる)
・リックサック(ちょっとした荷物を入れるのに何かと便利)
・ネックウォーマーなど(顔の寒さ対策)

更に、いざとなったら、
・明かり(山小屋には、電気は無い。日が暮れるのは早い)

何度と無く扉を開け、外の様子を確認。先ほどより更に吹雪いている。風が強烈だ。視界10メートルも無い。そんな中、日本人のカップルが山小屋に入ってきた。男は、女に「チョコレート、食べる?」と聞いている。今日、何度となく聞いたフレーズだ。よく見るとチョコレートは大袋入りだ。これなら遭難しても万全だ。この嵐の中を、カップルは出て行った。本当に信じられない。しばらく経つと今度は、イタリア人の男2人組がやってきた。吹雪の中でも陽気だ。もうかれこれ1時間は、ここにいるので寒くてしょうがない。思い切って降りることにした。ボードを持って、扉を開け、吹雪の中外に出た。その瞬間、体が強風で5メートルほど飛ばされた。まともに立っていられない。すごい風と真っ白で何も見えない。山頂は回りにさえぎる物がないので、風が強いのだろう。ジャンプ選手のような前傾姿勢で、慌てて山小屋に戻った。その後、20~30分ほど待ったが一向にやまない。イタリア人の2人組も、この嵐の中を出て行った。信じられない。
もう一度、外に出て様子を見てみる。風は強烈だ。先ほどと変わらない。山小屋から5メートルも離れると真っ白で山小屋も見えなくなる。方向を見失う可能性もある。

山小屋に戻る。来た道を歩いて戻ればいいのだが、真っ白で1メートルぐらいまでしか見えない。風は体が飛ばされるくらいの風だ。あなたならどうする?山小屋には誰もいない。もうすぐ2時。3時には日が暮れ始める。かれこれここに2時間は居る。かなり体が寒い。運動しても一向に体が温まらない。さすがに焦る。あの時サッサと降りておけばと言っても遅い。(この先は、気持ち的に写真を撮る余裕もなく、写真はありません)

もうしばらく誰も登ってこない。やばい。これはやばい。日が暮れる前に携帯で、スキー場のパトロールの人に電話して助けを呼ぶことにした。携帯の電池はフルに充電したはずなのに、電池マークは切れそうだ。バッテリーを外して手や息で温めた。ようやく電池マークもフルに復活。恥ずかしながらパトロールに電話した。誰か来て一緒に降りてもらえないかと訪ねると、「登って来た道を歩いて降りれませんか」という。視界が悪く道が見えないと伝えた。「ニセコルールを知っていますか?」と聞かれる。知っていると答えると、「遭難扱いになります。場所が特定できているので、5万円かかります。場所がわからないと更に数十万円以上かかります。どうしますか」とのこと。さすがに5万はきつい。その時、外国人2人と日本人1人が入ってきた。「ハーイ!」。ここは恥をしのんで、「一緒におりてもらえますか?」とカタコトの日本語で頼んでみた。「OK!」と答えてくれた。これでひと安心。パトロールに電話で、この事を連絡。この外国人と話をしてみると、フィンランドから来たと言う。オーストラリア、イタリア、台湾、中国、そしてフィンランドとニセコもワールドワイドだ。早速下山、外は猛烈な強風、また風で体が吹き飛ぶ。周りの視界は5メートルくらいしかない。1メートルも離れていないのに相手の声がよく聞こえない。不安になって「大丈夫ですか?」と聞く。「大丈夫。大丈夫です。」と答える。すでに3人はスキーを履いている。私もすぐにボードを着けた。ゴーグルの内側が凍って役に立たず。何も見えない。しょうがないので外すして滑ることにした。

本当にかなり危険な状態。一人ずつ距離を置かずに滑り出す。10メートルも離れると相手が見えない。10メートル下っては、みんなが揃うのを待ち、また10メートル降りるといった具合だ。かなりの斜度。山の斜面が丁度風下なので、下りだすと先ほどよりは風の影響を受けない。しかし視界はよく見えない。そんな事を繰り返し、降りるにしたがって風や視界も回復してきた。太陽も見え始める。まさにポスターにでてくるパウダースノーだ。ターンしようとすると顔にまでパウダースノーが舞う状態だ。フィンランドの3人組は、この急斜面でパウダースノーの中をスイスイと滑り降りて行く。すごく上手い。深い所で、パウダースノーは腰の位置の深さまである。本当にふわふわだ。しかしこれだけの深さがあると回転しにくい。なんとか付いて降りていけた。途中、木々の合間を抜け、先に進んでいたフィンランド人が、遠くで「エンジョイ?」と聞く。私は長く伸びた鼻水をグローブでぬぐい、それをふかふかのパウダースノーにこびりつけ、満面の笑顔で手を振って答えた。助かった。スキー場のファミリーコースに交わるところで、お礼を言いその3人組みと分かれた。パトロールにも無事下山できたことを電話で伝えた。フィンランド人の3人に感謝。

コースに戻りリフトを乗り継いでようやく元の場所に戻ったころにはもう夕方だ。昼はまだ食べていない、お腹は空いたが胸はいっぱいだ。体もボロボロ。全身、力が入らない。近くのラーメン屋さんで温かいラーメンでも食べることにした。

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ラーメン屋さんのネオンが妙に綺麗に見える。山頂より地上はやっぱりいい。帽子を取ると、出来損ないのギリシャ彫刻のような髪になっている。
帰り道、ずっとラジオのニュースを聞いていた。まさか遭難のニュースが入っていないかと。

(※これでニセコの旅は、しばらくお休みとなります)

ゴーグルは、ダブルレンズ、曇り止め処理のしてあるものなら、曇りにくい。山頂でも大丈夫。

         

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この記事へのコメント

とても臨場感があって、面白くよませてもらいました。かっこつけない文章がいいですね。それにしてもニセコはオーストラリア人だけじゃないのね。それも驚きです。

今回は、本当に遭難するかと真剣に思いました。助けてくれたフィンランド人の3人に感謝です。また、もうすぐ山頂が、目の前となると天気が悪くても登ってしまうものですね。無理せず引き返すことも大切だと思いました。帰って来てからこの事を書こうか書くまいか迷いましたが、無理せずニセコで安全にスキーを楽しんでもらう参考になればと書きました。

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Profile
ニセコじー
ニセコの山に登っては、日々の不摂生を後悔する札幌在住者。自然と温泉と街ネタと、フツーのニセコを書きます。
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札幌在住のフリーライター。取材先で食べた料理の数は数知れず
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