協力するか、死か。強制収容所での紙幣贋造を描く「ヒトラーの贋札」
2007-12-07 21:30

完璧な贋札――。
どこかサスペンスな響きに誘われ、「ヒトラーの贋札」の試写会に行ってきました。
タイトル通り、第二次世界大戦、ドイツでのお話。
題材が、強制収容所での出来事のため、どうしても暗い話になってしまうだろうと確信を持って鑑賞。
ナチスに捕らえられた世界的贋札師と印刷技師らが、強制収容所内で
“完璧な贋ポンド札”を作るよう命令される。
(贋札を作ることで、ナチスの敵国である英国の経済を破綻させるのが狙い)
ナチスには協力したくない。しかし、従わなければ即刻銃殺。あるいはアウシュビッツへ移送。死は避けられない。
そして、贋札作りが進んでいきます。
紙幣贋造に携わる彼らは、ナチスにとっても作戦が成功するか否かのカギを握っているため、ふかふかのベッドに温かい食事という好待遇を受ける。
一見すると、整えられた部屋で穏やかに仕事をしている作業者のように見えるけれども、壁の向こうでは、同胞や仕事仲間が家畜のように殺されていく狂気の世界にいるんです。
加えて、凶暴なナチス士官による非人間的ショッキング・シーン(狂ってる!)が繰り広げられる現実。
死が当たり前のように傍にある世界で、“首の皮一枚つながっている”ギリギリの状態を辛うじて生きているというギャップが、緊張感を加速させます。
彼らの運命はどうなるのか――というのは観てのお楽しみ。
本作は、ホロコーストの渦中にあった人々を、“贋札作り”というこれまでに描かれてこられなかった視点から描いていて、映画には様々なアプローチがあることを改めて思い知らされます。
観終わった後は、案の定、史実に対してずーん・・・と気が重ーーくなる(これはもう仕方がない)。
しかしながら、重いテーマを扱いつつも、(ちょっと語弊があるかもしれませんが)エンタテインメントとして観ることができると思います。
考えたらその分返ってくる、渋い映画です。
■「ヒトラーの贋札」
2008年1月19日(土)シャンテシネ京成ローザ10他全国順次ロードショー
公式サイト







