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MovieWalker 編集部ブログ
日頃、記者会見や試写会などの取材に東奔西走し、業界の酸いも甘いも知るMovieWalker編集部メンバーによる
レポートに書けないこぼれ話!!

2008年05月14日

マーサ
2008-05-14 13:25

yaminokodomotati.jpg
何度「最悪っ!」と心の中で吐き捨てたかわからない。
もちろん映画自体のことではなく、登場する搾取者たちに対して。

阪本順治監督の渾身作「闇の子供たち」は、児童買春、人身・臓器売買という現実の問題をえぐる。私たちが普通に生活していると目に入ってこない現実を。
報道、書物などから得られる出来事の事実の断片は知っていても、それがどのような実態なのかは日本に安穏と暮らしていてはなかなか感じられない。
子供たちは、訳もわからず連れてこられ、檻に閉じこめられ、外国人(日本人含む)に買われていく。ある者はペドファイル(小児性愛者)に性の玩具にされ、病気になったらゴミ同然に捨てられる。ある者は生きたまま臓器を抜かれ、殺される。何の希望もない悲惨すぎる事実。まさに地獄。

それを具体的な映像として見ると、細部は鮮明になり、搾取者の卑劣極まりない最悪な行為が牙をむいて襲いかかってくる。
描写はあえて抑えてある(センセーショナルに扱ってしまうと、加害者を煽ってしまう恐れがあるため)。それでも免疫のない人にとっては刺激が強いかもしれない。


本作はほとんどがタイでのロケのため、タイ語(日本語字幕)が話され、最初はドキュメンタリーのような錯覚を受けますが、日本人俳優と現地俳優&子役が出演する劇映画です。
日本人ジャーナリスト(江口洋介)とNGOに参加している女性(宮崎あおい)を中心に、目指すところは同じだが考え方が異なるので足並みが揃わない。そして、これらのやりとりに相当な葛藤ドラマが展開されます。

プレス資料を読んで凄いと思ったのは、自身が一時失声に陥ったという監督の言葉。
生半可な考えでは描ききれない題材なだけに、現実を見据え、社会に与える影響や責任を考え、搾取される子役に対しては細心の注意を払い、真に伝えるべきことをコントロールし映像化する、という想像を絶するプレッシャー。
これらの負の問題に向き合ったその姿勢と勇気に拍手を送りたい。


“ダークな話を描くと傑作と言われる”という傾向は嫌いなんだけど、
要所要所での登場人物の言葉が心にずしりと来る脚本、大波が何度も訪れるも筋が通った構成、印象に残るシーンの数々は、観客の魂を揺さぶる。原作とは異なるアプローチは本作における問題提起を確実のものにしていると思います。

硬派な映画だけど、目を背けず、ひとりでも多くの人に観てほしいと切に願います。


■「闇の子供たち」
2008年夏休み、シネマライズ ほか全国順次ロードショー
(c)2008映画「闇の子供たち」製作委員会
公式サイト

2008年04月11日

マーサ
2008-04-11 19:33

afterschool.jpg
内田けんじ監督の3年ぶり2作目となる新作「アフタースクール」を試写室で観てきました。
デビュー作の「運命じゃない人」(2004)は、フツーのサラリーマン(と彼に絡む人々)の奇妙な1日を複数視点で描いたハート・ウォーミングなサスペンスで、しかもカンヌで4冠を獲っています(未見の方は是非)。

今回も、(よい意味で)目まぐるしいストーリー展開にきっとニヤリとしますよ。
この人のストーリーテリングで見事なのは、その緻密な設定に基づく状況を“笑い”に転化させるところ。
探偵、大金、ギャング[日本だからヤクザ]、ファム・ファタルなど、通常のノワール的設定をポップにし、しまいにはハートフルにしてしまうんです。

今作では、複数視点の描写は要所要所でドカンと発揮されるものの、前作よりは影を潜めています。
しかしその一方で、物語が進むに連れ丹念に積み上げられた状況がスコーンと変わる、いわゆるどんでん返しが待っています。

しかも、キャスティングが絶妙すぎるほどぴったり。
大泉洋をはじめ、佐々木蔵之介、堺雅人、常盤貴子、田畑智子らが出演しているんだけど、役柄にハマリまくってます。
なにしろ、キャスティングの肝が、「よい人にも悪い人にも見える顔」だったらしいから。
まさに2転3転する脚本を活かすキャスティングに拍手!

先を読もうとすると割と頭を使うので、元気なときに観たほうがいいかも。
事前情報(ストーリー)は知らなくて結構。是非映画館で味わってみてください。


関連記事

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「アフタースクール」で大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人が競演!


【ゆうばりファンタスティック国際映画祭 速報2】
「アフタースクール」の大泉洋や田畑智子らが登壇
ぷぷっと笑える素顔や爆笑撮影秘話が飛び出し、会場は大盛況


■「アフタースクール」
5月24日(土)より、渋谷シネクイントほか全国ロードショー
(c)2008「アフタースクール」製作委員会
公式サイト

2008年03月11日

マーサ
2008-03-11 23:41

yashikionna.jpg
ベアトリス・ダルの新作ホラー「屋敷女」は、“コワイもの見たさ”でふらっと観に行くと返り討ちを喰らいそうなくらいのホラーですよ。

先日公開されたフレンチ・ハード・ノワール「裏切りの闇に眠れ」(2006)でギャングのボスの女として存在感を見せた彼女。
今度は、前身黒ずくめ、長いストレートの黒髪をした謎の恐怖女に扮してます。どことなく“口裂け女”っぽい。

本作は“家の中”で展開する恐怖描写のため、ほぼワン・シチュエーション。
出産間近でパンパンに張ったお腹の女性(アリソン・パラディ)が、どこからともなくやってきたダル姉演じる屋敷女から執拗に追われます。
追われる女性の設定が“妊娠中”ということで、緊張感と恐怖が倍増(&しかもなんか痛そう。男にはわかんないけど)。

いや、突き抜けちゃってるよ、凄いよ・・・
屋敷女が大っきなハサミを持って、あんなことやこんなことを・・・(自粛)。

——と、あとは観てのお楽しみ、ということで。
オープニングのタイトルバックが非常におどろおどろしいので、なんとなく(これから始まる恐怖描写への)準備ができるかも。
私自身、ホラー映画はあまり得意ではなく、○×△描写にいちいち「うーわー・・・」と反応してしまいました。
しかしながら、ある程度腑に落ちるストーリーと監督の恐怖演出のおかげで、十分納得できる“観られる”映画です。


■「屋敷女」
初夏、ライズXにてロードショー
配給サイト
[c]LA FABRIQUE DE FILMS- BR FILMS

2008年フランス映画祭(3/13~3/16東京六本木、3/16~3/18大阪なんば)にて一足先に上映。

2008年02月26日

おっけー
2008-02-26 19:00

america1.jpg

最近、自分の中でアテレコが流行っています。
遠くの人、見かけた写真、動物にアテレコしてみます。
そんな私にぴったりの思わずアテレコしてみたくなるメイン写真、
「アメリカを売った男」を観てきましたっ。

本作は、2001年に発覚した巨大なスパイ事件の実話に基づく
サスペンス映画。20年以上にわたり国家の極秘文書をソ連に
売り続けいていたFBI捜査官と、彼を逮捕するためおとり捜査に
身を投じた若手捜査官との心理戦が描かれます。
この2人のせめぎあいに釘付けになりますよ~。

実在の二重スパイ、ロバート・ハンセン役を「アダプテーション」の
クリス・クーパーが演じていますが、いやぁ、クリス、さすがにうまい!
“アメリカ史上最大の情報災害”といわれた事件の犯人、狡猾で
多面的人格を持っていたとされるロバート・ハンセンを怪演。
知的な捜査官であり、信心深く、良き家庭人。そう見えた男の
真の顔が暴かれてゆく様を、説得力ある演技で魅せてくれます。
職場でキャサリン・ゼタ=ジョーンズの映画を見て、「ええ女やの~」なんて
言ってみたり、自分の奥さんとの秘め事を隠しカメラで撮影し、
友達に送りつけてみたり、その変態っぷりが、「この人、超真面目に見えて、
確かに実はこんなことやってそう・・・!」と、クリスのその表情、佇まいから
妙に納得できてしまうのです。。
なぜ彼がスパイという大罪に手を染めたのか、その真実が語られるラストでは
ゾ~ッとしつつも、クリスのうまさに思わずニヤリとしてしまうような良~い
表情してます!
この怪演、お見逃しなく!
■「アメリカを売った男」は3月8日(土)よりシャンテシネ他にてロードショー
>>「アメリカを売った男」公式サイト
>>MovieWalker試写室ランキング3月号でも第3位にランクイン!
(C)2007 Universal Studios. All Rights Reserved.

2008年02月12日

マーサ
2008-02-12 23:38

nocountry.jpg
待ってましたっ!
と思わず言ってしまいたくなるジョエル&イーサン・コーエン監督の最新作「ノー・カントリー」。
だからコーエン作品は好きなんだー!、と思ってしまう出来ですよっ!!

――と声を荒げて言わずとも、すでに批評家らから絶賛、アカデミー賞では最多8部門でノミネートされているほか、各映画祭で受賞・ノミネートが相次いでいるんで、もう折り紙付きですな。観るしかないですな。

お話は、ひょんなことから大金をネコババした男(ジョシュ・ブローリン)が、ハビエル・バルデム扮する殺し屋(かなり異常)から追われるという大筋です。
とまぁ、ここまでは(映画では)よくある話。

でも、ここからコーエン兄弟の本領発揮。

まず、この殺し屋(かなり異常)は、おかっぱ頭なのに顔がコワイ(上の写真)。
そして、会話を繰り広げる雰囲気がまたコワイ。
最初は普通の会話をしているかと思いきや、徐々に異様さを帯びてくる。
セリフに語らせず、観客に感じさせる監督の手腕に脱帽。これが本当の“ゾクゾク”です。

しかも、すんごい武器を持ってます。この武器が発する音が凄まじい。
(この武器の使い方とその発する音を聞くだけでも観る価値はあるかと。素晴らしいサウンド・デザイン)
トリッキーでかなりバイオレンス。

なんかもうコイツ(かなり異常)の印象が強烈すぎるんですけど、
予想を裏切るストーリー展開はシャープさキレキレで、省略の美学が徹底されてます。まさに映画のお手本。

これを見逃す手はないです!


今月25日のアカデミー賞の行方が気になりますなぁ。


■「ノーカントリー」
3月15日(土)、日比谷シャンテシネ他全国ロードショー
(C)2007 Paramount Vantage, A PARAMOUNT PICTURES company. All Rights Reserved.

2008年01月15日

山ちゃん
2008-01-15 22:44

naoko.jpg
[c]2008「奈緒子」製作委員会

年明けに「のだめカンタービレ」を大笑いをこいていた私。
いや~、上野樹里の「のだめ」っぷりには、思わず拍手! 
だって、あのマンガチックな百面相にますます磨きがかかってて、コミックの表情がそのままオーバーラップするほどのハマリ具合だったもん。

そして、その数日後に試写で見た映画が、同じく上野樹里主演の映画「奈緒子」。

ごひいきな古厩智之監督が、駅伝映画をどう撮ったかってことに興味津々で観にいったのだが、期待を上回る完成度の高さ。よっ、さすが!

ちなみに、本作は、高校駅伝をテーマにしたコミックの映画化作品。
子供の頃に起こった事故がきっかけで心に傷を負った少女と少年が、大人になって再会し、陸上選手とマネージャーという立場になって、交流をしていく。
スポ根モノ、青春映画、再生の人間ドラマ、として優れた1作だ。

陸上選手役の三浦春馬の爽やかさも買うが、やはり断然巧いのが上野樹里。
もともと短距離が得意な体育会系の樹里ちゃん。その走る姿の本物っぽさは、「チルソクの夏」でも証明済みだったけど、今回もかなり青春のにおいが漂ってくるようで素晴らしい。
だがしかし、本作では、走る姿よりも、かげりのある表情に注目していただきたい。

あの、おばかなのだめをやってた上野樹里が、180度違う、ナイーブなヒロインを自分のものにしている点にはびっくりする。毎回そうなのだが、この人の場合、そのさじ加減が自然でいい。
瞳に、口元に、ちゃんと、自然な形で陰をまとっているのだ。

そりゃ、女優だったら、明暗の使い分けは当たり前っちゃあ当たり前なんだけど、彼女に関しては、かなりレベルが高い化けっぷりなんだよね。そこがいいのだ。

いや~、いっすね~。
今後も、どんな仮面を見せてくれるのか、超楽しみである♪

■「奈緒子」は2月16日(土)よりアミューズCQN、シネマート新宿、シネ・リーブル池袋にて公開
公式サイトはこちらをチェキ!

2007年12月18日

マーサ
2007-12-18 23:45

nightwatching.jpg

オランダを代表する絵画の巨匠にして、映画や写真の照明技法“レンブラント・ライト”の由来でもあるレンブラント・ファン・レインの生涯を描いた「レンブラントの夜警」を観てきました。

有名な画家の多くがそうであるように、レンブラントもまた波乱の人生を歩んでいます。
特に、市警団を描いた、彼の代表作「夜警(nightwatching)」の完成後、絵画制作の注文が激減したということに、何かしらの謎・不思議さを覚えますよね。

本作の冒頭はこのように始まります。
暗闇の中で、中央に置かれたベッドに差す光。
まるで舞台のような空間で、マーティン・フリーマン扮するレンブラントが「夜警」に登場する市警団に襲われるシーンから始まります。

とても妙な気分にかられます。
映画を観ているのに、絵画的、演劇的、なんです。

レンブラントの映画を撮るんだから、レンブラント・ライトばりばりのドラマティックな映像なんだろう、と多くの人が思うでしょう。
実際、全体を通して、暗闇に人物が浮かび上がる映像は多用されています。
人物から人物へと交互に映すカットつなぎは使われず(あったとしても人物のバストアップ、トラックアップ、トラックバック等)、引き気味のショットが多い。
カンタンに言うと、ハリウッド的な派手さがないんです。
そのせいか(焦)、最初の30~45分間くらいは、物語がなかなか動かなかったせいもあって、正直ちょっと退屈します・・・。

しかし、後半、物語が進むにつれ、今まで観ていた断片がつなぎ合わされ、ひとつの解らしきものが導き出されます。
「ああっ、もっとちゃんと観ておけばよかった!」が素直な感想です。
「「夜警」にこんな劇的な裏ストーリーがあったなんて!」と。

美術に精通しているピーター・グリーナウェイ監督が、創作も含め、ときに「ダ・ヴィンチ・コード」ばりの謎解きも交えて、撮っています。
「夜警」の背景にあった様々なことが、映像として展開され、絵画として再構築されている妙。
“nightwatching”や冒頭の舞台装置に符合する作り、市警団の企み、そして、彼を愛した3人の女性等々、ひとりの画家の人生を多角的かつ魅力的に描いています。

決して万人にはおすすめできませんが、観る人が観たら興味深い作品になっていると思います。


■「レンブラントの夜警」
2008年1月12日(土)、新宿 テアトル タイムズスクエアにてロードショー
公式サイト
(C)Nightwatching B.V. 2007

p.s.
昨日、試写を観て帰宅後、自宅のレンブラント本を眺めていると、あのシーンでのポーズ、あのシーンでのオブジェクトでさえ、絵画からの引用であることに気づきました。
レンブラント画集を事前にぱらぱらと見ておくと、より映画が愉しめること間違いないです。

2007年12月11日

おっけー
2007-12-11 21:01

MLO_ma.jpg

 19歳の若さで書いた「KIDS キッズ」の脚本で、世界中にセンセーションを
巻き起こしたハーモニー・コリン。彼の8年ぶりの新作「ミスター・ロンリー」が
やってきます。予告を観てから、んもぉ~気になって気になって、このたび
観てまいりましたっ。
 パリの街角で、マイケル・ジャクソンのモノマネ・パフォーマンスを披露する男、
マイケル。彼は自分という存在に自信が持てないために、食事の時も眠る時も
24時間365日、マイケルのモノマネをして生きている。そんな彼が、マリリン・
モンローとして生きている美しい女性に出会い、恋に落ちる。他人を演じてきた彼が
恋に落ちたことで、「ほんとうの自分ってなんなんだ…?」と考えはじめる自分探しの
物語。

 最初は、ユニークな設定に惹かれて興味を持っていた私ですが、映画を観るや、
その切なさ、優しさ、愛おしさに、じ~んときまくりです! 人は誰も孤独、誰も
信じられないとか、なんで生きてんだろ~とか考えたりしちゃう時もありますよね。。
でもやっぱり人に触れることで、新たな一歩が踏み出せたりするんだな~。

 セックスとドラッグに生きる10代の日常をリアルに描いた「KIDS キッズ」の脚本で
デビューし、当時は“恐るべき子供”と称されたハーモニー・コリン。その後脚本第2作
「ケン・パーク」、初監督作「ガンモ」と、若い感性炸裂の作品で、熱い支持を得ました。
自由奔放で、トガってて、若さゆえに撮れた作品かもしれない。そして、監督作
「ジュリアン」を最後に、彼は沈黙してしまう。今回、「ミスター・ロンリー」を観て、
何だか、本当に勝手にだけど、なんでこれまでハーモニー・コリンが撮れなかったのか、
そして、なぜ8年の沈黙を経て、今回の作品が撮れたのか、ちょっと分かったような気が
してものすごく胸熱くしてしまいました。。わ~っと注目人物になってもてはやされて、
ささ~っと去っていく人がいたり、きっとすんごい孤独を味わったり、自分は何を
やってるんだろ、何がしたいんだろ、とか考えたんじゃないかな~、と。。

 若さゆえに撮れる作品がある、そして孤独だとか喪失感だとか色々な経験をして、
撮れる作品がある。この作品を観て、ハーモニー・コリンはやっぱりすごい!彼の
帰ってくる場所が映画を撮ることであってくれてウレシイ!と思いました。
 で、で、最後にこの映画、音楽がとっても良いのす♪タイトルになっている
「ミスター・ロンリー」も心に響くし、作中で流れるアイリス・ディメントの「マイ・ライフ」、
これホント、染みました。。このシーンも最高。是非ご覧くださいっ!

■「ミスター・ロンリー」は2008年正月第2弾シネマライズ他全国順次公開
>>公式サイト
(C)2006 O'South Limited, Love Streams agnes b. Productions,
Metropolitan Film Productions Limited and Fuzzy Bunny Inc.

2007年12月07日

マーサ
2007-12-07 21:30

nisesatsu.jpg

完璧な贋札――。
どこかサスペンスな響きに誘われ、「ヒトラーの贋札」の試写会に行ってきました。
タイトル通り、第二次世界大戦、ドイツでのお話。
題材が、強制収容所での出来事のため、どうしても暗い話になってしまうだろうと確信を持って鑑賞。

ナチスに捕らえられた世界的贋札師と印刷技師らが、強制収容所内で
“完璧な贋ポンド札”を作るよう命令される。
(贋札を作ることで、ナチスの敵国である英国の経済を破綻させるのが狙い)
ナチスには協力したくない。しかし、従わなければ即刻銃殺。あるいはアウシュビッツへ移送。死は避けられない。
そして、贋札作りが進んでいきます。

紙幣贋造に携わる彼らは、ナチスにとっても作戦が成功するか否かのカギを握っているため、ふかふかのベッドに温かい食事という好待遇を受ける。
一見すると、整えられた部屋で穏やかに仕事をしている作業者のように見えるけれども、壁の向こうでは、同胞や仕事仲間が家畜のように殺されていく狂気の世界にいるんです。
加えて、凶暴なナチス士官による非人間的ショッキング・シーン(狂ってる!)が繰り広げられる現実。
死が当たり前のように傍にある世界で、“首の皮一枚つながっている”ギリギリの状態を辛うじて生きているというギャップが、緊張感を加速させます。
彼らの運命はどうなるのか――というのは観てのお楽しみ。

本作は、ホロコーストの渦中にあった人々を、“贋札作り”というこれまでに描かれてこられなかった視点から描いていて、映画には様々なアプローチがあることを改めて思い知らされます。

観終わった後は、案の定、史実に対してずーん・・・と気が重ーーくなる(これはもう仕方がない)。
しかしながら、重いテーマを扱いつつも、(ちょっと語弊があるかもしれませんが)エンタテインメントとして観ることができると思います。
考えたらその分返ってくる、渋い映画です。


■「ヒトラーの贋札」
2008年1月19日(土)シャンテシネ京成ローザ10他全国順次ロードショー
公式サイト

2007年11月30日

山ちゃん
2007-11-30 21:07

mo5651.jpg
[c]2006 Universal Studios.ALL RIGHTS RESERVED.

おお~、英国の変なおじさんMr.ビーンが、10年ぶりにスクリーンに登場。
そうです、タイトルは「Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!」
って、今回も文字通り、大・大迷惑をかけてます。

もちろんギョロ目と、デカ鼻、挙動不審な素行は健在。
しかも、ギャグ・パワーの炸裂度合いが、またまたハンパじゃない。

にしても、名物おじさん、元気いっぱいだね~。
そりゃあ、アクション畑では、偉大なるマンネリと言われても、懲りずに「沈黙」シリーズを連打し続けているスティーブン・セガール(3連発のおやじ祭りはあっぱれだ!)や、「ロッキー」シリーズに続き「ランボー 最後の戦場」が控える「生涯現役!」のスタローンもすごいけどさ。
やっぱ、人生、こうでないといかんね~と、改めておっさんたちをリスペクト!
さて、Mr.ビーンの映画の話に戻りましょう。

今回は、教会のくじ引きで、カンヌ旅行を当て、いざカンヌへ。
でも、ここですんなりとカンヌへ行けるはずがない。。。
副賞のビデオカメラを片手に、電車で出かけるも、途中で乗り遅れるわ、荷物を無くすわで大童。
ひょんなことから、少年の相棒を経て、いっしょにカンヌを目指すが、
無賃乗車で追い出されるわのふんだりけったり。

でも、もうギャグのオンパレード、というか、存在自体がギャグなローワン・アトキンソンがたまらないわけっす。お約束どおり、ちょううざくって、ラブリーなんす。
試写室でも笑いが、どっかんどっかんと、すごかった。
改めて、ビーンのおばかギャグの底知れぬパワーを実感しちゃったわね。

また、劇中、カンヌに招かれるナルナル・大ナルシストの映画監督役のウィレム・デフォーもナイス。
やはり、デフォーみたいな性格俳優は、どんどんこういう“才能の無駄遣い”をしてほしい。
ちなみに、ラストの方でビーンが、両手を空に掲げるシーンがあるが、
あれは「プラトーン」へのオマージュっすかね。

また、劇中劇っぽい展開を入れて、最後にフィナーレという作りもにくい。
さらに、ラストのシーンも遊び心たっぷりなので、エンドロール後も席で待機すべし!

やっぱり笑いって大事っすね。人生笑ってなんぼっすよ。
そう、改めて実感。よーしっ、明日も笑っていこう!

「Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!」は1月 19日(土)よりみゆき座ほか全国ロードショー

2007年11月28日

おっけー
2007-11-28 19:00

mo5700.jpg

ワーナーマイカルでは、これまで国内で3つの劇場に1スクリーンづつしか
設置されていなかったデジタル3-Dシネマを、一挙18スクリーンに追加導入
するという。この追加で、北は北海道、南は九州まで、デジタル3-Dシネマが
楽しめるようになるとのことで、これはウレシイ限り!

「ベオウルフ」のデジタル3-D試写会で、早速デジタル3-D体験~。
劇場入り口で、3Dメガネをもらい準備万端。赤と青2色の簡易的なメガネを
想像していましたが、もらったメガネは、ほんのり黒色のついたメガネ。
かけてみると、ちょっとした黒澤明風ですね。作りがしっかりしているので、これなら
114分疲れなさそう。そして、上映開始。いやいやホント、飛び出す!
映倫マークまで飛び出てますよ! これはすごい…。

本作は、英文学最古の英雄叙事詩「ベオウルフ」を、役者の演技をベースに
CG加工するモーション・キャプチャーを使い映像化した作品で、それだけでも
驚愕の映像なんですが、この3-Dで観る「ベオウルフ」は、まさに圧倒される
ほどの迫力! 
したたり落ちる血、飛び掛ってくる無数の矢、そしてものすごい形相で
襲い掛かってくる怪物。「だからぁ、ぶつからないって」と自分に言い聞かせながら
何度もよけてしまいました。。
これまでにない映像体験といっても過言ではないす! スクリーンを入り口として、
全く別世界に誘われるよう。スクリーンが奥深~く感じ、おどろおどろしいファンタジーの
世界にずずず~んと連れて行かれてしまいますよっ。

映画自体もね、おもしろいんです♪ 
まずベオウルフが強い。怪物グレンデルを倒すのに、ヤツも生身で来るなら、こちらも
全裸で、と言い張り、武器も鎧も装備せず全裸で戦う。股間が映っちゃわないように、
不自然に障害物で隠すあたりが、ちょっとおかしくて、そんなに必死に隠すなら、
ビキニ・パンツくらいは履いていて良かったのではないか、ベオウルフ…。
そして、裸体に金色の液体を塗った姿で登場する美しき魔物役のアンジェリーナ・ジョリー。
モーションキャプチャーで作られたアンジーの裸体に注目です! 
そんなお楽しみもあり、ド迫力のアクションと共に壮大な物語が展開、
いやぁ、飽きない飽きない。
それだけでも確かにおもしろい。でもこの迫力は、是非デジタル3-Dで
体験していただきたい! ひとつのアトラクションを体験したような、そして、
別世界に連れていかれたような新鮮な驚き。
百聞は一見にしかず、です! 是非一度体験してみてください。

遊園地に行く気分で映画館に出かける。映画館に行く新たな楽しみができる。
3-Dが映画館の可能性を広げるぞ! そう感じた一日でした。

「ベオウルフ 呪われし勇者」は12月1日(土)より公開
>>ワーナーマイカル公式サイト
[c]2007 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

2007年10月26日

ミッチー
2007-10-26 18:26

saikai1.jpg saikai2.jpg

いよいよ今週末で終了する第20回東京国際映画祭。
そのコンペティション部門にノミネートされている作品で
要注目なのが、「再会の街で」という作品です。

9.11事件で妻子を亡くしたチャーリー(アダム・サンドラー)と、
キャリアと家族にも恵まれながらも
どこか満たされない日々をおくるアラン(ドン・チードル)。
大学の元クラスメートのふたりが、偶然NYの街で再会し、
再び友情を育みながら、自分自身を見つめなおす再生の物語。

コメディアンのアダム・サンドラーの熱演や、
NYの街の美しさ、チャーリーの心情を表す70年代の音楽の数々・・・
と、見どころはいっぱいなんですが、
何と言っても、チャーリーとアランの男同士の友情がいい!

ふたりでスクーターで街を滑走したり、
夜中にひたすらゲームをしたり、
懐かしい音楽をかけながらセッションしたり、
そこにいるのはまさにふたりの“男の子”。

それぞれに深い悲しみや葛藤を抱えてはいるけれど、
ふたりでくだらない遊びに夢中になっている時だけが、
全ての悩みを忘れ、自分を解放できる時なんです。

これって、男の人特有の友情のあり方なんだろうなぁと思いました。
女同士だとこんな風にはいかない。
やっぱり女は現実的な生き物だから、
友達同士で悩み事を話し、それについて盛り上がりながら解決していく。
女性からみると、いくつになっても男同士のあり方は
ちょっとおバカで子どもじみて見えるものだけど、
そんな“男の子”の友情も素敵で羨ましい!と思いました。

28日(日)に、コンペティション部門の中から“東京 サクラ グランプリ”を始め、
各賞が選ばれるのですが、「再会の街で」は受賞できるのでしょうか!?
皆さんも受賞結果を楽しみにしていてください!

■「再会の街で」
2008年お正月ロードショー
>>公式サイト
(C)2007 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

■第20回東京国際映画祭特集

2007年10月16日

おっけー
2007-10-16 22:20

11.bmp

大槻ケンヂ原作の青春小説をケラリーノ・サンドロヴィッチ監督が
映画化した「グミ・チョコレート・パイン」を観た。
ヤバイ、、好きだ。。すごい好きだ。。終始、可笑しくって、切なくって
キュンキュンしまくってた。
舞台は1986年の東京郊外。「クラスの他のヤツらとは違うぜ、いつか何か
やってやる」と息巻いている高校生・賢三を中心とした高校生たちの恋と
友情が描かれる。息巻いてるけど、実際は何をやったらよいのかわからない、
賢三ってのは冴えないヤツなんです。映画とロックがオタク的に大好きで
普段は、冴えない仲間とサブカル談義。
好きな子に話しかけることもできなくて、妄想ばかり。
授業中に回した手紙の折り方から、隣のクラスの子に貸した惣領冬実
「ボーイフレンド」、ラジオから流れるおニャン子クラブ、ちょっと背伸びして
観に行くのは石井聰亙のオールナイト・・・。もうね、ワタシ的にキュンキュンする
アイテムにあふれてるんです。
そして、ケラ監督ならではの絶妙の間と、小ネタにニヤニヤしちゃいます。
タイトルの「グミ・チョコレート・パイン」ってのは、ジャンケンをして、グーで勝ったら、
グ・ミ、とふたつ進む小さなころには誰もがやったことがある遊びのこと。
どんどん進んじゃう人は進んじゃって、ジャンケンに負け続けちゃうと、どんどん
置いていかれちゃうあの遊びです。
人生で、“勝つ”と先に進むのかな・・・?“負ける”と置いていかれちゃうのかな・・・?
何が“勝ち”で何が“負け”で、何が“成功者”で何が“落伍者”なんだろ。。
賢三は、何かやってやる!という思いを実現すべく、バンドを始めるんだけど、
結局大人になった賢三は、「ロックで生きる!」なんて生活とはかけ離れた生活を
している。高校生の頃に思ってた一番つまらない大人になっちゃてるんだ。。
映画全編に、そんな切なさが漂う。でも、それを見つめるケラ、そして大槻ケンヂの
目が実に愛おしさにあふれてるんだなぁ。
最後にはなんだか、人生に勝ち負けなんてない、これからだって前のめりで走って
みてもいいんじゃない?と思わせてくれる。「青春って良かったよね」で終わらせる
映画ではないところもまたまたニクい。見せ方もうまいんだなぁ。
本気で胸熱くしました。
あの頃のロック少年、ロック少女、映画少年、映画少女、どうしてる?
自分の思う“幸せ”を見つけたかなぁ。

■「グミ・チョコレート・パイン」は12月よりテアトル新宿他全国順次ロードショー
>>公式サイト

2007年10月09日

ミッチー
2007-10-09 20:01

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待望の松尾スズキ監督作「クワイエットルームにようこそ」が
いよいよ10月20日(土)に公開されます。

本作は2006年第134回芥川賞にノミネートされた
松尾スズキ自身による同名小説の映画化。
ある日、目が覚めると女性だけの閉鎖病棟に隔離されていた
フリーライターの明日香(内田有紀)の14日間の
病棟生活(=再生生活)を描いた物語です。

この閉鎖病棟には、主人公の明日香をはじめ、
拒食症や過食症の患者や徹底的なルールで
患者を縛り付ける冷酷なナースなど、
様々な問題を抱えた女性が登場するのだが、
どの登場人物もとてもリアルで同じ女性としてゾッとします。

一見、どこにでもいそうな女性にみえ、
本人も何も問題もないと思っている明日香が、
なぜ閉鎖病棟に入っているのか、
どんな問題を抱えているのか、
自分自身を見つめなおし、
自分を受け入れることで問題が発覚していく様は
本当に人事とは言えません。
誰にでも起こり得るという事実を目の当たりにし、
自分の危うさや、異常と正常の境界線の不確かさを実感させられます。

そして、こんなにも女という生き物、
女が持つ痛みをわかっている
松尾スズキという男に尊敬の念を抱きました。
こんな男の存在は女にとってとても貴重。
こんな男がいるから女は頑張っていけるんだなぁと思いました。

女性はもちろん、男性にもぜひ観てほしい作品です。

今、MovieWalkerでは「クワイエットルーム~」心理テストを実施中。
質問に答えると、どのキャラに近いがわかります。
かなり当たるのでぜひトライしてみてください!
そんな私は“コモノ・タイプの虚言症予備軍”でした・・・
>>「クワイエットルームにようこそ」特設サイトへGO!!

■「クワイエットルームにようこそ」
10月20日(土)より、シネマライズほか全国公開
>>公式サイト
(C)2007『クワイエットルームにようこそ』フィルムパートナーズ

2007年10月05日

マーサ
2007-10-05 23:30

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ジェイミー・フォックス主演のサスペンス・アクション。
いや~、興奮です。

冒頭からマシンガンのように繰り出される情報量の多いタイトル・バックに目を回すはず。
アメリカとサウジアラビア(キングダム)の20世紀初頭から現在までの経緯と関係性が、わずか2分程度に凝縮されています。

サウジアラビアの首都リヤドの外国人居住区にてテロが起き、大惨事の現場(!)で幕を開けます。
ハリウッドの基本力を感じる、テロ現場のプロダクション・デザイン。
そのテロ現場にFBIが乗り込み、現地警察と一緒になって、テロの首謀者打倒のため動きます。
最初はうまくいかないながらも協力し、徐々に敵を追い詰めていく。

テーマは、対テロ・因縁といったところで、とても根が深い問題ですが、
エンタテインメントとしてきっちり昇華されているので、とてもよい仕上がりです。

いつのまにか、呼吸が荒くなり、胸で息する自分がいました。
息切れする映画は久しぶり。
大迫力のアクション・シーンはかなり見もの。これは映画館で観るべき。


■「キングダム 見えざる敵」
10月13日(土)全国ロードショー
公式サイト

2007年09月25日

おっけー
2007-09-25 20:24

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最近、沢尻エリカ様がテレビに出まくっていますね。
いやあ、美しい。迫力さえ感じる美しさ。
だって、まず、最近のエリカ様の、上・黒髪、毛先・金髪の髪型。
あれって、普通にやったら難しいですよね。。
私がやったら、女子プロレスラーでしょうな。
そして、さらにその発言にも、目が離せません。
先日の“堂本兄弟”では、
「弱点は?」の質問には「教えません!」
「最近ビビッたことは」→「ないです!」
「ダメ人間だと思った出来事は?」→「ないです!」
「生まれ変わったらなりたいものは?」→「男!」
すべて即答です。ステキすぎます!
この強さが、さらに彼女を輝かせてるのでしょうね~。
今、一番輝いていて美しい女優さんだと思います。
そんなエリカ様が、恋する乙女を演じる映画が間もなく公開。
「クローズド・ノート」です。
ミステリー界の俊英・雫井脩介が初の恋愛モノに挑戦した小説を
行定勲監督が映画化。内容はというと、教師を目指す普通の
女子大生・香恵(沢尻エリカ)が、引越し先の前の住人・伊吹
(竹内結子)の日記を開いたことから、自分自身の恋と人生を
変えてゆく運命的なラブ・ストーリーだ。
この作品の中で、エリカ様は、恋する普通の女の子を演じており、
恋することの喜び、切なさを、見事に体現。見ているこちらも、
キュンとしたり、ドキドキしたり、そして最後には、切なくもさわやかな
感動が味わえるステキな作品となっております。
エリカ様いわく、「自分自身、普段はすっごく男っぽいけど、恋を
すると、まったく女の子になってしまう」とのこと。
恋ってのは、すごい力のあるものですね!
そんな恋の素晴らしさ、そして人との出会いの素晴らしさに
あふれた「クローズド・ノート」、今最も輝く女優・沢尻エリカをスクリーンで
是非ご覧くださいませ。
「クローズド・ノート」は9月29(土)より公開
>>公式サイト
>>MovieWalker特設サイト
(C)2007「クローズド・ノート」製作委員会

2007年09月21日

マーサ
2007-09-21 23:00

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先日、スサンネ・ビア監督の「ある愛の風景」でびっくりした勢いで、彼女の最新作「アフター・ウェディング」を続けて観に行きました。
2007年のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた作品。

まぁ、こちらも実にイイ(!!!)。

アフター・ウェディング、つまり、「結婚式の後」のお話です。
インドで貧しい子供たちのために活動しているデンマーク人のヤコブが、富豪の実業家ヨルゲンから寄付の申し出を受けるため、その娘の結婚式に強引に誘われるところから始まります。
見方を変えるとサスペンスのようにも思える“待ち受け感”に気をよくしながら、物語が進むにつれ明らかになってくる“事実”と、突然霧が晴れたようにずしっと感じる“思い”に胸打たれました。

日常生活の中で誰でも起こりうる“突然襲いかかる困惑”によって、周囲にいる大切な人々を巻き込んでしまう。困惑が困惑を生み、疑い、仲違いし、和解し、支え合う。
家族や親しい人の大切さを“突然襲いかかる困惑”が教えてくれるという構図。
そして、ある者はひとつの決断をし、その決断は別の者の決断を迫る巧妙さ。

“突然襲いかかる困惑”が、水面の波紋のように、登場人物それぞれの内面に影響を与えていきます。
「ある愛の風景」と同じく、連鎖する関係性がとても自然で流れるよう。

思い出すとちょっと泣けてきます。
この監督の作品は、すべてを優しく包み込むような温かさを感じます。
個人的には、心の優しい人に観てもらいたい。
もちろん、映画として素晴らしいです。大切な人と是非映画館で。


■「アフター・ウェディング」
10月27日(土) シネカノン有楽町1丁目にて公開
公式サイト

2007年09月14日

山ちゃん
2007-09-14 14:42

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マット・デイモン、相変わらずのってますね~。
見ましたよ、待望の人気シリーズ最新作「ボーン・アルティメイタム」。
でもって本作、東宝東和配給のため、本編上映前の予告編で流れたのが、おなじく同社配給であるデ・ニーロの監督作「グッド・シェパード」。これがまた、時代は違えど、マットがスパイに扮する映画なのです。いや~、狙ってますね、こりゃ。

今、いちばん、スパイが似合う男こそ、マットっす。

「ボーン・アルティメイタム」のメガホンをとったのは、2作目の「ボーン・スプレマシー」に続いてポール・グリーングラス監督。ご存知、9.11のテロを描いた「ユナイテッド93」の監督ですが、今回も実にリアリティを追求した緊迫感溢れるスパイ映画に仕上げてて、さすがだな~!と。

もう、今回、とことん硬派。シャープで力強いアクションが素晴らしいのは言うまでもないのですが、なまぬるい感傷やオアシス的ラブも控え、ザッツ・リアル・スパイ!を演出したところがGOOD!!
ウェットになりそうだな~という場面も、スパッと潔く切り替える。その男前な点がたまりませぬ。
かといってドラマが浅いわけでもなく、ちゃんとキャラが深く描かれてる。職人芸っすね。

マットも巧い。「グッド・シェパード」もそうですが、目によって語られる苦悩が素晴らしい。
あと、個人的に注目しているのが、口元のほくろです。これが語る哀愁が素晴らしい。アップは必見ですぜ。

いずれにしても、シリーズのファンはもちろん、新規で見られる方もぜひぜひチェックしていただきたいマットの映画2本。
まったく違うテイストの映画ですが、イチオシですぞ!

「ボーン・アルティメイタム」は11月10日(土)より日劇1他で全国ロードショー
公式サイトはコチラから♪

「グッド・シェパード」は10月20日(土)より日劇1他で全国ロードショー
公式サイトはコチラから♪

※ちなみに両方、日劇1ってところもにくい。予告編と共にWでお楽しみを。

2007年09月11日

マーサ
2007-09-11 23:06

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“デンマークが生んだ恐るべき才能”――でまず目に留まった。

「バベル」(2007)のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、「ナイロビの蜂」(2006)のフェルナンド・メイレレスに続く“新たな発見”――と試写状に書いてある。

「ある愛の風景」。いったいどんな作品だろう。単館系の宣伝アオリ文句かな~、とも思ったけど、気になった。

行ってみた。
観てみた。
びっくり!!!

穏やかなタイトルに騙されます。
上記のように評される監督、スサンネ・ビア。ただ者ではないっ!
人の心情をひとつひとつ積み上げていくのに秀でていて、とても入り込みやすい作品になっています。

ストーリーは、国連軍の少佐とその家族を中心に描かれます。
アフガニスタンに派兵された少佐は任務中搭乗していたヘリを撃墜されるも、命を取り留め捕虜となる。
しかし、少佐の家族には訃報が届く。
まず、ここでグッと掴まれます。
訃報を聞いた家族の描写が、単なる「泣く」ではない。
“突然の訃報”の文字通り、各個人の都合、事情、状態などお構いなしに否応なく襲いかかる不幸。
それが非常に生々しく、訃報を聞いた直後の反応~訃報の伝達~葬式~喪失感のある生活と、家族は悲しみに暮れるも、その現実を受け止めていく過程がとても自然。

(家族には死んだと思われている)少佐は監房に入れられるが、その監房にはもうひとりの捕虜がおり、共に時間を過ごす。
そしてある時、少佐は“とんでもない仕打ち”を受ける。
ここでもグイと掴まれます。
この“とんでもない仕打ち”は極限状態で、観客はこの極限状態を疑似体験するかもしれません(私は疑似体験を味わいました)。
もしこの“とんでもない仕打ち”が自分に襲いかかったらどうするか、と。
観客に「もし自分が~だったら」とすんなり感じさせるのは、それまでに積み重ねた巧みな心情描写によるところなのかもしれません。

この出来事の後、少佐は救出され家族の元に帰ることができるが、別人のようになってしまった彼に戸惑う家族と彼自身。
――と、ここからの展開がまだまだあるのだけど、ここから先は映画館で是非!

「バベル」「クラッシュ」(2006)等、強度のある作品が好きな人におすすめ。
いや、ホントにいいよコレ。


■「ある愛の風景」
11月 シネカノン有楽町2丁目にて公開
公式サイト

2007年09月06日

ミッチー
2007-09-06 15:58

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皆さん、あの愛らしいクレア・デインズが帰ってきます!
と言っても、大抵の方が「はぁ・・・?」って感じでしょう・・・

クレア・デインズと言えば、あの「ロミオ&ジュリエット」('96)で
レオ様相手にジュリエットを演じ、
世界中の女子の嫉妬と羨望を集めながらも、
その美しさでそんな女子たちまでも虜にした女優さんです。
実は私もハートを鷲掴みにされたひとり。
「若草物語」('94)の時から注目してました。

しかし、そんな華々しいメジャーデビュー後、なぜかヒット作に恵まれず、
「ターミネーター3」(2003)では大コケしてしまうという不運に。。。
そのうえ、その美しさもベン・アフレック並のアゴ割れにより、
実年齢(現在28歳)よりも老けてみられ、
スター女優の道からは遠ざかっておりました。

そんな彼女ですが、「幸せのポートレート」(2005)で、
健康的な女性の魅力を発揮し、隠れクレア・ファンとしてはひと安心。
(でも、サラ・ジェシカと並ぶと体格差が強調され、かなり大柄に見えて可愛そう・・・)

そしてそして、10月下旬公開のファンタジー「スターダスト」で、
見事に復活を果たしました(私的に)!!

彼女が演じるのは、何と“流れ星”です。
空から降ってきた流れ星のクレアが、人間の男性と恋に落ちるのです。
なんともロマンティックではないですか!
やっぱりクレアには“お姫様”や“王女様”といった、
女子憧れの役柄が似合うんですね~。

ジュリエットで魅せた可憐な美しさは健在でした。
彼女の白い肌とブロンドの髪が映えて、ほんと妖精のよう!

しかし、なぜそんな私がタイトルに「復活!?」と
「!」ではなく「!?」と付けたかというと、
本作以降がポイントになるからです。
ここで安心しきってはいけません。
「ロミオ~」の二の舞になってしまいます・・・
彼女には、この後の作品選びに慎重になってほしいものです(余計なお世話)。
ぜひ、今後も活躍していってほしいと切に願います。

とりあえず、本作でクレアの魅力を皆さんも堪能してください。
本作には、クレア以外にもミシェル・ファイファーやロバート・デ・ニーロなど
豪華キャストも出演しています。特に、デ・ニーロがいい!
めちゃくちゃカワユイですよ♪


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■「スターダスト」
10月下旬、全国ロードショー
>>公式サイト
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